仕事のやる気が出ない、集中力が続かない――そんな悩みを抱えている人は少なくありません。気分が乗らないとき、多くの人は「やる気が出たら動こう」と考えがちですが、実はその順番は逆です。精神科医の久賀谷亮さんによると、「やる気は行動の結果として生まれるもの」であり、まず体を動かすことが重要だといいます。
本記事では、ウォーキングや軽い運動によって脳の働きを活性化し、モチベーションを高める方法について、わかりやすく解説していきます。
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やる気は「行動のあと」に生まれる
私たちはつい、「やる気が出たら始めよう」と考えてしまいがちです。しかし実際には、やる気は最初から存在するものではなく、行動することで後から生まれるものです。
例えば、朝起きて「今日は何もしたくない」と感じていても、少し体を動かしてみると徐々に気分が変わってくることがあります。これは、体を動かすことで脳内に変化が起き、意欲を高める物質が分泌されるためです。
そのため、モチベーションが上がらないときほど、まずは小さな行動を起こすことが効果的です。
運動が脳に与えるポジティブな影響
久賀谷さんは、やる気を引き出すための方法として「瞑想」と「運動」の組み合わせを推奨しています。まず瞑想によって脳の疲労をリセットし、その後に軽い運動を行うことで、より高い効果が得られるといいます。
特に重要なのは、「心拍数が少し上がる程度」の運動です。激しいトレーニングである必要はなく、スクワットや階段の上り下りなど、短時間でできる運動でも十分効果があります。
このような運動によって、脳内では特定の神経伝達物質が分泌され、気分や意欲に良い影響を与えます。
エンドカンナビノイドとは何か
運動によって分泌される代表的な物質のひとつが「エンドカンナビノイド」です。これは体内で自然に作られる神経伝達物質で、大麻に含まれる成分「カンナビノイド」と似た働きを持つことから、この名前がついています。
エンドカンナビノイドは、気分を高揚させたり、不安を和らげたりする作用があり、いわゆる「ランナーズハイ」にも関係しています。運動後に感じる爽快感や達成感は、この物質の働きによるものです。
重要なのは、この物質が特別な条件でしか分泌されないわけではないという点です。ほんの数分間、軽く体を動かすだけでも十分に分泌されるため、日常生活に簡単に取り入れることができます。
長時間の運動は必要ない
「運動が大切」と聞くと、長時間のトレーニングやハードな運動を想像するかもしれません。しかし、やる気を引き出すという目的においては、そこまでの負荷は必要ありません。
むしろ大切なのは、「少し心拍数が上がる程度」の軽い運動をこまめに行うことです。例えば、以下のような行動でも十分効果があります。
- 出勤前に軽くスクワットをする
- エレベーターではなく階段を使う
- 数分間だけ早歩きをする
これらはどれも短時間で実践できるうえに、脳の状態をリフレッシュする効果があります。
ウォーキングの質を高めるポイント
単に「家の近所を歩く」だけでも一定の効果はありますが、より効果を高めるためにはいくつかの工夫が必要です。
例えば、少し早歩きを意識したり、坂道や階段を取り入れたりすることで、心拍数を適度に上げることができます。また、自然の多い場所を歩くことでリラックス効果も高まり、ストレス軽減にもつながります。
つまり、「ただ歩く」のではなく、「少し負荷を意識して歩く」ことが、ウォーキングの効果を最大限に引き出すポイントです。
仕事前の運動がパフォーマンスを高める
運動を行うタイミングとして特におすすめなのが「仕事の前」です。体を動かすことで脳が活性化し、その後の集中力や作業効率が向上します。
逆に、仕事後の運動もリフレッシュには効果的ですが、モチベーションを高めるという点では、仕事前の方がより効果的です。
朝の数分間を使って軽い運動を取り入れるだけで、その日のパフォーマンスが大きく変わる可能性があります。
まとめ:まずは動くことがやる気への近道
やる気が出ないと感じたとき、多くの人は気分が変わるのを待ってしまいがちです。しかし、実際には「行動すること」がやる気を引き出す最も効果的な方法です。
軽い運動によってエンドカンナビノイドが分泌され、自然と気分が高まり、行動への意欲が湧いてきます。しかも、そのために必要なのは、ほんの数分間の簡単な運動だけです。
「やる気が出ない」と悩む前に、まずは体を動かしてみる――このシンプルな習慣が、日々のパフォーマンスを大きく変えてくれるでしょう。





